Google Chrome使っている人は一度お試しあれ。
スマホの「音声検索」はそれなりに有用だというのが個人的な感想。ですが、PCで検索する場合には明らかにキーボード入力のほうが速い。音声入力の場合には、認識のタイムラグがありますから。
では、Googleが敢えてPCに「音声検索」を導入してきた意図はどこにあるのか?
以下、個人的な妄想を綴ります。
「キーボード」という概念が消失する未来?
PCからスマホ、タブレット端末へ。時代は動いています。そして、さらにはGoogle Glassやスマートウォッチといった「ウェアラブルデバイス」が、今後数年の間には一般に普及するようになるでしょう。
言い換えれば、キーボードの存在しない「キーボードフリー」なデバイスが多勢を占めるようになるということ。Googleは既にそのような未来を見据え、来たるべき新時代における検索インターフェースの実験ならびにデータ収集、そして「音声検索」という概念の市場への浸透を図っているとも考えられます。
「検索」という概念が消失する未来?
「検索」とは、簡単に言えば「問い」に対する「答え」を得るための行動です。そして、質問の答えを得るための行動は「検索」に限りません。人に物を尋ねる行動を「検索」とは呼びませんよね?
ソーシャルメディアの発展により、何かを調べる際に「検索」するのではなく、SNS上でつながる世界中の「友人」たちに直接質問することで答えを得るという新たな情報収集行動が生まれました。
インターネットを活用した情報収集においては、これまで「検索」が主流であり、そのことがGoogleがネット業界に君臨してきた理由だったわけです。しかし、ソーシャルメディアの勃興によって、その牙城は脅かされつつあるという事実。
では、Googleの次の一手は何か?
いわゆる「検索」とソーシャルメディア上での「質問」を完全に統合した、インターネットにおける新時代の情報収集スタイルを確立させようと目論んでいるのではないでしょうか?
サーバーにインデックスされた情報、そしてSNS上のソーシャルグラフの双方に対して一括で「問い」を発し、まとめて「答え」を得る。「検索」だけでも「ソーシャルメディア」だけでも得られない、両者のメリットを併せ持った情報収集の手法。
その場合、必然的に口語的な「会話」スタイルの質問形式になるでしょうし、であれば「音声」として「話し掛ける」ほうがキーボード入力よりも自然です。
最後に目指す未来は、あらゆる「音声情報」のデータベース化?
インターネット上に存在し、Googleがインデックス化している「情報」は、世の中にあふれる情報のほんの一部にすぎません。そして、世界中で日々生み出される情報の大部分は、人々の「会話」という形態の「音声情報」です。
Googleにとっての究極の目的が「あらゆる情報を収集して整理し、そして利用可能にする」という点にあるのならば、世の情報の大半を占める「会話」という名の「音声情報」を収集することは、ある意味でGoogleにとっての最終目標でもあるはずです。
「音声検索」という小さな第一歩を踏み出したその先には、あらゆる「音声情報」のインデックス化という最終目的地があるのかもしれません。
はたして、その到達点は、Googleという一企業を利するだけという結果に終わってしまうのでしょうか。それとも人類全体に恩恵をもたらす集合知として機能するのでしょうか。
That’s one small step for Google, one giant leap for mankind?