リスティング広告業界にも参院選特需の風が吹く?ただし既存の広告主にはマイナスの影響もあるよ。

ネット選挙解禁か?

自民党の安倍晋三総裁は21日、都内で新経済連盟の三木谷浩史代表理事(楽天会長兼社長)らとの会合後、記者団に対しインターネットを利用した選挙活動を「次の選挙までに解禁すべきだ」と述べた。“次期首相”の発言で、早ければ来夏の参院選でネット選挙が実現する可能性が高まった。実現すれば若者を中心に投票率の向上が見込めるほか、各党の選挙広告費がIT関連企業に流入し、業界の追い風にもなりそうだ。

<中略>

総務省内でも「ネット禁止は時代遅れ」(幹部)との声が強まっているほか、IT業界では解禁後、選挙関連サイトのクリック数や広告収入の増加をあてこむ動きもある。

国政選挙という名の戦場においても、サイバー戦が本格的に展開される様相を呈してきました。そして、選挙広告費の流入先としてリスティング広告も対象となることは、まず間違いないでしょう。

ちなみに、選挙関連の広告掲載ガイドラインは以前から存在します。

Yahoo!リスティング広告の「広告掲載ガイドライン」より関連項目を抜粋

第 7 章 その他、個別の掲載基準があるもの

2. 選挙【第9 章13.関連】
選挙管理委員会等による選挙開催の告知に関する広告は掲載可能とします。

3. 政党【第9 章14.関連】
(1) 広告出稿元が、政治団体設立の届出が完了しており、政党助成法に定義さ
れた政党、その他政治団体、またはそれらに準じる団体であること
(2) 政党または政治団体の政策や通常の政治活動宣伝などの広告であること
(3) 選挙や投票の呼びかけが含まれていないこと
(4) クリエイティブに政党または政治団体名が表示されていること
(5) 合理的な根拠なく一方的に主張を展開したり、他を攻撃したりしていないこと
(6) 選挙活動に該当しないこと

6. 募金、寄付金の募集
(1) 目的、活動内容、募金・寄付金の使途が明瞭であること
(2) 活動に公共性があること
(3) 収支報告の公開方法と時期が確認でき、過去の収支実績が確認できること

第 9 章 広告表現規制

13. 選挙【第7 章2.関連】
選挙運動に関わる表現は掲載できません。

14. 政党【第7 章3.関連】
クリエイティブ内に政党または政治団体名の表示が必要です。
なお、選挙や投票の呼びかけ等の表現は掲載できません。

現在のところ、選挙関連のリスティング広告掲載は一切禁止!というのがヤフーの公式見解。その点についてはグーグルも同じですね。

日本をターゲットとして選挙運動に関係するサイトを宣伝することは許可されません。

このあたりのガイドラインについては、遅かれ早かれ何らかの改正がなされるものと思われます。

なお、潤沢な選挙マネーがリスティング広告に投入されれば、ヤフーもグーグルも代理店もウハウハで皆さんWinWinなわけですが、勝者あれば敗者あり、光あれば影ありは世の常道。既存の広告主が被ることになるであろう無視できないマイナスインパクトについても言及しておきますね。

入札キーワードとしては、「参院選」や「政策」といった選挙バリバリな語句だけでなく、各党の掲げる具体的な政策に関連した各種キーワードも当然含まれてくると予想されます。それらのキーワードに関心がある有権者からのアクセスを集め、党の政策をアピールしてゆくわけですね。

そういった選挙関連の広告が直接的な競合となるわけではありませんが、関連キーワードに対して膨大な選挙広告費が投下された場合、既存の広告主の立場からすれば、「広告掲載順位の下落」や「CPCの悪化」といった不利益を受ける可能性が否定できません。

リスティング広告の運用担当者としては、別な意味で各党の政策を注視する必要性が出てくるかもしれませんね。

タイトルとURLをコピーしました