クレジットカード決済における「コンバージョン」と「セキュリティ」のジレンマ

コンバージョン率の向上という観点からすれば、オンライン上の「入力フォーム」の必須項目は可能な限り減らしたほうが有利です。

ただし、情報入力の目的が「クレジットカード決済」ということになると、不正な決済の排除という問題が絡んでくるため少々事情が複雑になるわけです。

AVSとCVV、この2つのシステムはオンライン詐欺から消費者・購買者・お客様・ユーザーを守るための善意から始まったものなのですが、実際にはこのシステムの運用分だけコストが掛かっており、なおかつ最終的なコンバージョン、要するにちゃんと問題なく買えたかどうかというのを妨害する要因にもなっているわけです。

というのも、あまりにも入力するフィールドが多いとユーザーは途中で入力をやめて離脱したり、請求先住所を打ち間違えたり、新しい住所に引っ越した際にそのデータが銀行に反映されるまでのタイムラグで拒否されたり、そもそもカード裏面のセキュリティコードのことを知らなかったりするためです。ある研究データによると、セキュリティコードの入力を省くと、コンバージョンレート(成約率、お買い物に成功した割合)がなんと40%も高くなったそうです。

オンライン通販に限らず、コンバージョン時の支払い手段としてクレジットカード決済を導入している事業者の方にとっては、ひじょうに悩ましい問題なのではないでしょうか。

商品発送後にクレジットカード詐欺に気付いても後の祭りという通販業者とは異なり、継続的に提供されるサービスの場合には、詐欺が発覚した時点でサービス停止という対応が可能ですから、決済入力フォームの簡便化のリスクは比較的低減されると言えるかもしれません。

もちろん、発覚前にサービス提供済みの部分については、損害を被ることになりますが。

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