結局「リスティング広告」を「ネット選挙」に使うことは可能になったのか?

結局「リスティング広告」を「ネット選挙」に使うことは可能になったのか?

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ネット選挙の解禁にゴーサインを出す「改正公職選挙法」が成立しました。

では今回の「改正公職選挙法」によって、リスティング広告を選挙に使うことはできるようになったのでしょうか?

3つの側面から検証してみます。

1. 「改正公職選挙法」による制限事項

有料広告については、「政党のみ」が「バナー広告」を掲載することができる模様です。

総務省によると、改正公選法では、選挙中のバナー広告の利用を「政党(支部を含む)」が行う「政治活動」に限って認めている。「候補者個人の広告は認められない」として、政党に属さない無所属の候補らの利用は除外された。

広告は選挙運動でなく政治活動にあたるため、広告上に「○○候補に一票を」などと投票を呼び掛ける直接的な文言は盛り込めないが、広告をクリックして誘導される政党などのホームページでは、候補者を紹介したり、投票を呼び掛けたりすることができる。また、選挙ごとに定められる「支出上限額」の制限にはかからず、支出は無制限。資金が許す限り、いくらでも広告を出すことができるという。

問題となるのは、「バナー広告」の定義ですね。

広告のクリエイティブ形式の面で、「テキスト」や「動画」等と比較しての「画像広告」のことなのでしょうか? もしくは「メール広告」や「検索連動型広告」等と比較した、「ウェブサイト上に掲載される広告」という意味なのでしょうか?

そのあたりが明確ではありませんが、YDNの「ディスプレイ広告」やAdWordsの「イメージ広告」ならば、便宜上「バナー広告」と見なされる可能性はありそうです。

2. 「広告掲載ガイドライン」による制限事項

政党が出稿する広告については、リスティング広告側でも「広告掲載ガイドライン」が定められています。詳細については、以前に記事としてまとめてありますのでそちらをご参照ください。

つまり、「選挙活動」「選挙運動」に関連する広告は一切掲載できないルールになっているわけです。とは言え、通常の政治活動の範囲内であれば問題なく広告掲載することが可能なので、広告リンク先のウェブサイト上において、選挙関連のコンテンツが存在しなければ広告の掲載は許されると判断できます。

「改正公職選挙法」では、ウェブサイト上での投票の呼びかけ等は問題ないようですが、リスティング広告の「広告掲載ガイドライン」では、広告のリンク先でも選挙に関連するコンテンツはダメという点に違いがあります。広告のランディングページは特注しろ、ということです。

3. 政党側の「リスティング広告」運用知識レベル

代理店。営業してやれよ。

結論

以下の条件において、次期参院選にリスティング広告を利用することは可能と考えられます。

  1. 広告主が「政党」であること
  2. 「ディスプレイ広告」や「イメージ広告」のフォーマットで、YDNやGDNに広告掲載すること
  3. 広告のクリエイティブやリンク先のウェブサイトで、「選挙活動」に該当するコンテンツを一切掲載しないこと
  4. 政党がリスティング広告運用の基本知識を身につけること。もしくは優秀な代理店に広告運用を依頼すること

「選挙運動」には使えないが「選挙期間中に活用する」ことはできる、というのが現時点における個人的な見解です。

そして「リスティング広告のプロ」は一歩先を考える

素人にとって規則やルールは「守る」ものですが、プロにとっては「利用する」もの。制限事項があれば、その隙を突く道を探るのは常套手段です。

「改正公職選挙法」による「バナー広告」の利用規程が、あくまで「選挙期間中」のみを対象とするのであれば、「選挙前」には「検索連動型広告」を含め、無制限にリスティング広告を利用できるということになります。(もちろん「広告掲載ガイドライン」が許す範囲内で、ということになりますが)

つまり、選挙が公示される前の段階で「検索連動型広告」を駆使して政党ウェブサイトへの訪問者を集めておき、それらの訪問者に対して、選挙期間中に「リターゲティング」「リマーケティング」による「バナー広告」を配信するという手法が使えます。

選挙前に「リタゲ」「リマケ」のタグを踏ませまくった政党とそうでない政党では、選挙期間中の「バナー広告」のインプレッションに圧倒的な差が生じることになります。