「無効クリック」の発生確率を「デバイス別」に調査してみた人がいるよ

検索連動型広告で「無効クリック」が発生する確率について、デバイス別のデータを集計してみたという記事。

米国におけるAdWordsの事例ですね。

検索連動型広告における「不正クリック」の問題が本当に些細なものかどうかについては、十分に議論の余地があるかと思いますが。調査データとしてはなかなか興味深い。

まずは、Googleの言うところの「無効クリック」の定義ですが、3種類に大別されます。

  • Manual clicks intended to increase your advertising costs or to increase profits for website owners hosting your ads.
  • Clicks by automated clicking tools, robots, or other deceptive software.
  • Extraneous clicks that provide no value to the advertiser, such as the second click of a double-click.
  • 広告主様の費用や、広告を掲載するサイト運営者様の収益を意図的に増やすために手動で行われるクリック
  • 自動クリック ツールやロボットなどの不正なソフトウェアによるクリック
  • ダブルクリック時の2番目のクリックなど、広告主様にとって価値のない余分なクリック

これについては、アドワーズのヘルプでも説明されていますね。

そして、デバイス(PC、スマホ、タブレット)別の「無効クリック」の発生確率を調査してみたというグラフデータがこちら。

無効なクリック

  • Desktops still have the highest percentage of invalid clicks (~6%). This is likely due to the lower amount of difficulty for hackers, and bots to be able to penetrate these devices.
  • Mobile invalid clicks seem to be increasing (although within a tight range). My hunch is mobile invalid clicks come more from actual users with multiple clicks, or user error vs. actual purposefully fraudulent activity.
  • Tablets had the lowest amount of invalid clicks, due to the higher degree of difficulty to hack these devices, as well as the improved ease of use (larger screens) vs. mobile.
  • PCは他のデバイスと比較して最も高い確率で「無効クリック」が発生している(~6%)。おそらくは、技術的に不正クリックが容易であることが原因だろう。プログラムによる機械的なクリックも、技術的に可能
  • スマホにおける「無効クリック」には、増加傾向が見られる(小幅な上昇率ではあるが)。個人的な感覚だが、スマホの「無効クリック」の原因は、連続タップやユーザーの操作ミスによるものが多そうだ。意図的な不正行為と比較して
  • タブレット端末の「無効クリック」は最も少ない。技術的に不正クリックが困難である点に加え、スマホに比べて使い勝手が改善されている(操作画面が大きい)ためではないだろうか

スマホやタブレット端末における「無効クリック」(厳密には「無効タップ」と言うべきでしょうか)がPCと比較して少ない、という調査結果は良いニュースなのですが、クリックのフィルタリングシステムには、実際のクリックデータを参考にして洗練されてゆくという側面があります。

したがって、スマホやタブレット端末での「不正クリック」的な行為に対し、適切な対抗策を講ずるに必要十分なクリックデータが、現時点でそもそもGoogle(そしてヤフー)に溜まっていない可能性もあるわけです。

つまり、何が言いたいか。

スマホやタブレット端末の「無効クリック」が少ないって言いますがね……
システム上で「検出されてない」だけなんじゃねーすか。先輩?

エンハスやユニキャンへの移行によって、今後、これまでとはクリック傾向が変化する可能性もあります。が、スマホやタブレット端末におけるクリック数やCTRの「異常値」については、PC以上に目を光らせておく必要があるかもしれません。

不審なクリックデータを基に「無効クリック」の調査を依頼した際、PCを超える確率で返金が発生する可能性も否定できませんから。

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